サラリーマンのあしあと

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【本の紹介】「プロカウンセラーの一瞬で心を見抜く技術」前田大輔(著)その2




その1のつづき



著者は、心の問題、悩みの原因はたったひとつだけだと述べています。

【それは、「思った通りに生きられなくて困っている」という悩みです。】


どのような悩みもここに行き着くようです。




【実は「心とは欲求である」と考えることができます。すなわち「欲求」がすべての始まりで、そこから気持ちや感情が生まれるのです。】

ですから、

【「心を理解する」というのは「欲求を理解する」ことであり、「人の心を理解する」とは、「その人が何を欲しがっているかをわかってあげること」ということになるのです。】


本書では、欲求を理解するために欲求について考察しています。


著者は、人間の欲求は3タイプしかないと述べています。
欲求タイプとは、簡単にいえば、無意識のうちにその人間が何を「安心」と感じるかという分類だと紹介されています。


その3タイプについて、本書に書かれていることをまとめてみました。


①「本能欲求タイプ」

勝つことを望み、優位に立とうという行動をとります。
ばかにされたり、なめられることを最も恐れます。
物事の判断は「断定的」「独断的」です。
基本的には人の話を聞きません。
権威的で利己的です。

また、行動面で以下の特徴もあります。

同じことを言う。
相手を子供扱いする。
相手を指差す。
腕組みをする。
大声でどなる。




②「感情欲求タイプ」

楽しいことを重視する。
他人から好意を持たれたい、人気者になりたい、という目標を持って行動します。
嫌われること、仲間外れにされることをもっとも恐れます。

物事の判断は、好き嫌いが中心です。
自分の判断を避け、他人に追従しやすい。

また、行動面で以下の特徴もあります。
頭に手をやる。
上目遣いする。
黄色い声で甘える。
オーバーアクションをとる。



③「理性欲求タイプ」

事実を重視します。
理性的な判断に基づいて現実を吟味しながら目標を達成したい、得をしたいという目標を持って行動します。
結果が出せないこと、損することを最も恐れます。
物事の判断は、非常に理性的、論理的、科学的です。
主観的ではなく、客観的です。

また、行動面で以下の特徴もあります。
無駄な行動がない。
計画的に行動する。
相手の言い分を聞く。
相手をよく観察する。
例え話がうまく、数字や実例をよく使う。


著者は、欲求タイプは一人の人間において、その時の状況や物事によって刻々と変わっていくと述べています。
しかし、やはりいちばん安心できる欲求タイプがあって、いつのまにかそれを求めているとのことです。



著者は、「心理の達人」は素早く人間の反応パターンを分析し、その人が何を望み、何を恐れているのかを判断し、その分析をもとに慰めたり、注意したり、励ましたりして、効果的に相手を動かしていくと述べています。
簡単にいえば、相手が「恐れること」をいち早く見抜き、効果的な言葉がけをしていくのです。





【催眠のしくみを一言で説明すれば、「催眠状態にはいると本人も気づかないうちに、理性が著しく低下してしまう」】


人の心を思い通り操る方法といえば、「催眠術」を思い浮かべるのではないでしょうか。


著者によると、催眠状態に入ると次のような現象がおきるようです。

①眠ったように見えるほど、深くリラックスする。

②人の言いなりになって、普段ならしないことをしてしまう。

③イメージや過去の記憶がリアルに浮かび、時には感動して泣き出したりする。



【「暗示をかける」とは、ある意図が相手の中にはいること。何かを思い込まされているという状態です。】


著者は次のようにも述べています。

【しかし、暗示をかけるほうは、「今から暗示をかけます」とは言いません。ですから、あらかじめ防ぐ準備はできないのです。】



「心理の達人」は、この見えない、聞こえない、防ぎよようがない現代催眠を駆使して「心を動かす」ことができるようです。



その3に続く





おしまい