【本の紹介】「プロカウンセラーの一瞬で心を見抜く技術」前田大輔(著)その4
プロカウンセラーの一瞬で心を見抜く技術 (フォレスト2545新書)
- 作者: 前田大輔
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2013/08/08
- メディア: 新書
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その3のつづき
【強力な暗示効果を発揮する「前提のコントロール」】
具体的には、
「A子さん、このあとお茶に行くなら、スイーツのある店とない店とどちらがいい」
という質問するとします。。
A子さんがスイーツのある店を選ぶ、ない店を選ぶはどうでもよいのです。
それはなぜかというと、そもそもの目的がA子さんとお茶に行くことだからです。
これをダブルバインドと呼びます。
お茶に行くことを前提として、質問をしています。
こういう質問だと「行きません」という返事がすぐには出てこなくなります。
A子さんの答えはスイーツがある方が良いか、ない方が良いかです。
質問の内容を考えると、答えの選択肢に「行きません」はあり得ないのです。
「A子さん、お茶に行きませんか?」であれば、答えは「行きます」か「行きません」です。
つまり、断る選択肢を相手に与えてしまうのです。
【無意識のうちに、話の足りない部分を相手に作らせたり、相手に補ってもらう方法が、過去完了否定形を用いた暗示の方法なのです。】
「以前は~だった」とか「~だと思っていた」という過去完了の否定形を使うと「現在は違う」と思い込ませることができるとのことです。
著者はマズローの欲求段階説について、「これはもともと心理学の理論で実践的なテクニックではないのですが、使いようによっては、心理カウンセリングだけではなく、日常のコミュニケーションにも、有用なツールになります」と述べています。
本書に書かれている内容を簡単にまとめてみました。
人間の欲求段階には、以下の5段階があります。
①生理的欲求
②安心・安全の欲求
③親和の欲求
④自我の欲求
⑤自己実現の欲求
相手がどの欲求段階にいるかを確認すれば、その次の欲求段階の目標を示唆してあげることで、適切なアドバイスができます。
例えば、現在「親和の欲求」の段階で悩んでいる人には、「自我の欲求」を達成させるようなイメージを持たせてあげます。
すると視野が広がって、生きがいや目標が生まれ、安心感が広がってくるのです。
この欲求段階には、下が解決しないと上にはいけないルールがあります。
つまり、ひとつずつ段階を踏んで行かなければ、自己実現の欲求まで、たどり着かないのです。
きちんと順番に段階を踏まないようなアドバイスも、説得力に欠けてきます。
書かれている内容を長々と紹介させて頂きました。
そんなに目新しいスキルはないのですが、比較的頭に入りやすい内容です。
本書は「心理の達人」に向けて、入口としては最適な本ではないでしょうか。
おしまい