【本の紹介】「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」橘玲(著)その2
- 作者: 橘玲
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/04/10
- メディア: 文庫
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その1の続きです。
本書を読んで参考になったことを紹介させていただきます。
【子どもの成長に親は必要ない。】
著者は子どもの知能や性格は、半分が遺伝で、残りの半分は環境の作用だと考えられていると述べています。
環境の作用とは、親の子育てによるものと考えがちですが、それは違うようです。
著者は環境の作用とは友達関係(子ども同士の社会的な関係)によるものだと述べています。
著者は複数の本で同様な主張をしています。
科学的な根拠も示しています。
このことについては必ずしも著者の主張が正しいとは思っていません。
多少はなにがしかの影響があると思います。
ただし、世の中のバカ親たちが思っているほど影響がないのは事実かもしれません。
親は子育てとどのように向き合えば良いのか、再考する必要があるのではないでしょうか。
【やればできる。だが行動遺伝学は、次のようにいう。やってもできない。】
著者はこれをもう少し正確に述べています。
適性に欠けた能力は学習や訓練では向上しない。
「やればできる」ことはあるかもしれないけれど、「やってもできない」ことのほうがずっと多い。
ということです。
これが正しいとなれば、努力には意味がないです。
やってもできないのに努力することは、たんなる時間の無駄どころかほとんどの場合は有害です。
著者は「やってもできない」という事実を認め、そのうえでどのように生きていくのかの「成功哲学」をつくっていくべきだと述べています。
【幸福とはなんだろうか】
著者は偉人たちの言葉を紹介しています。
「幸福とは人生の目的である」
ナサニエル・ホーソーン(開拓時代のアメリカの作家)
「幸福は偶然やってくる。追い求める対象にしたら、決して得られない」
ショーペンハウアー(ドイツの哲学者)
「幸福とは奇怪な妄想で、苦しみこそが現実である」
マーガレット・リー・ランペック(アメリカの作家)
「幸福とは旅の目的ではない。旅の方法である。」
幸福とは主観的なものですが、進化心理学の登場によって、なんとなくかたちができてきたようです。
他にも参考になる内容がいくつかありますが、このくらいにしておきます。
本書は著者が執筆している他の本と同様に、人生設計する上で参考になると思います。
おしまい