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【本の紹介】「自己プロデュース力」島田紳助(著)

自己プロデュース力 (ヨシモトブックス)

自己プロデュース力 (ヨシモトブックス)



著者は一時期一世を風靡し、テレビでレギュラー番組をたくさん持っていた島田紳助氏です。
数年前にいろいろあって、表舞台からは消えてしまいましたが、本書はそれよりも前にNSCで講演した内容を文章として書き起こしたものです。


この本はずはりマーケティングの本です。


他の書評には、著者の成功の秘訣であり著者だからできたこと、芸人にしか役に立たないことなど、というコメントが散見されます。


もちろん、著者の成功の秘訣であり著者だからできたこと、芸人にしか役に立たないことも書かれていますが、比較的万人受けする内容だと感じました。


著者は、「この世の中はすべて才能だ」と言いきっています。
そして、才能は生まれ持ったものだと述べています。


著者の考え方は以下のようなものです。

才能を通知表のように5段階で評価ができるとし、努力も同様に5段階で評価ができるとします。
才能を5持ち合せている人が努力を5したら、5×5で25になります。
才能を5持ち合せている人でも努力が1なら、5×1で5となります。
努力をどれだけするかで、これだけ違うのです。



才能は生まれ持ったものですが、努力の仕方は教えることができるとのことです。
本書では、その努力の仕方について書かれています。



それでは、参考になったことを紹介させていただきます。



【「X+Y」でものを考えろ】


「X」は自分の能力、自分には何ができるか。
「Y」は世の中の流れ、世の中で求められていること。


何かで成果をだすには、「X」と「Y」がぶつかる必要があり、それがないと成果がだせません。
つまり、「世の中で求められていること」と「自分にできること」がぶつかることで結果が残せるのです。

常に結果をだし続けるには、「Y」を徹底的に考え、動いていく「Y」に「X」を変化させる必要があります。
著者はこれができないと、たまたま「X」と「Y」がぶつかって結果を出したとしても、一発屋で終わると言います。

ただ、偶然でも「X」と「Y」がぶつかったならば、そのチャンスを逃さず最大限の成果を手に入れたいものです。



【負けることはしてはいけない】


著者は勝つことしかしてはいけないと述べています。


それは、とても理想的です。
でも、世の中はそんなに都合よくないのですが、、、。


著者は、「勝てない現場には行かない」「勝てる現場では必ず勝つ」とし、そのためには本当の客を知ることである旨を記しています。


著者は紳竜を解散するきっかけが、ダウンタウンには勝てないと思い、負ける勝負はしたくないから辞めたということです。




【知っていることしか喋っていない】



著者は一分野でも一箇所でも、ひとより深かったら、「なんでも知っている」と人は勝手に思ってくれると述べています。


世の中では頭が良い人はいろいろな事を知っているというイメージがあります。
でも、実際には頭が良い人は一つの分野を掘り下げ
その分野だけ高いレベルの知識を持っている人たちです。


著者は次のようなことを述べています。

一つの分野を掘り下げて、高いレベルの知識を身に付けるにも、かなりの労力がかかるでしょう。
それなら、一つの分野ではなく、一箇所だけ知っていてすべてを知っているふりをすれば良いのです。
全体を知らなくても良い、細部を熱く語ることができたら良いのです。


ただし、嘘はついてはいけない、嘘はいつかばれます。
一箇所でも詳しくなりたいなら、本気で興味を持ち、好きになったら良いのです。




【頭で覚えるな、心で覚えろ】



著者は「頭」ではなく、「心」で記憶しないと相手をひきつける喋りはできないと述べています。
記憶の仕方としては、本を読んで知識を得るのではなく、体験してなにかを「感じる」ことが大切なのです。


著者は「心」で記憶するために、絶えず「心」で記憶できるよう、いつでも「感じ」られるよう、「心」を敏感にする必要があると述べています。
また、「心」を敏感にするには、たくさん遊ぶ必要があるとも述べています。
遊ぶとは、いろいろなことに興味を持ち、うろうろすること、もっと言えば「へんな奴」でいることです。


皆が知っているような知識はどうでもよいです。
皆が知っているような知識を身に付ける時間がもったいない。
だれも知らないような知識が貴重なのです。





本書は、10年前に一度読んだ本です。
なんとなく、今回手にしてみました。
10年前に読んだときは、そんなに何も感じなかったのが、今回は非常にタメになる本だと実感しました。


今の僕にとっては、とても役立つ内容でした。




おしまい