サラリーマンのあしあと

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【本の紹介】「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」橘玲(著)その1


著者は少し前にベストセラーとなった「言ってはいけない」を執筆した橘玲氏です。
このブログでも橘玲氏の書籍をいくつか紹介させていただきましたが、橘玲氏の考え方には共感できるところが多くあります。


橘玲氏が10年以上前に書籍で主張していた内容が、今になって注目されたりもしています。


本書は2010年に出版されたものですが、橘玲氏が最近出した本で主張している内容とほぼかぶっています。


著者は残酷な世界で生き延びるための成功哲学は以下の二つだと述べています。


①「伽藍を捨ててバザールへ向かえ」

②「恐竜の尻尾の中に頭を探せ」




まずは「伽藍を捨ててバザールへ向かえ」とは、どのようなことでしょうか。


本書で著者が繰り返し主張していることが、文庫版あとがきに書かれています。

【本書で述べたように、知識社会においては、さまざまな能力のなかで言語的知能と論理数学的知能が秀でたひとがきわめて有利で、高収入の職業を独占している。だからこそひとびとは知識社会に適応できるよう自分を「変えよう」とするのだが、「わたし」の大半は無意識によってつくられているのだから、それを意識によって変えるのはきわめて難しい。すなわち、「やってもできない」。】


だったらどうすればよいのか?


【人生は「わたし」と環境との相互作用だ。環境に合わせて「わたし」を変えられないのなら、あとは「わたし」に適した環境を探すしかない。これが「伽藍を捨ててバザールへ向かえ」であり、これ以外に合理的な人生設計の戦略は原理的には存在しない。】


著者の主張を自分なりに簡単にまとめました。


自分に合わない場所で無理して頑張るのではなく、自分にあった場所を探しなさいということでしょう。

ほとんどのひとは、収入を会社に依存しています。
これまでは年功序列、終身雇用がある程度約束されていました。
サラリーマンはたいした成果を出さずとも、少しづつ給料が増え、かつ定年退職まで雇ってもらえたのです。
つまり、サラリーマンは我慢すれば報われたのです。
そのため、仕事がいやでも、職場の人間関係がつらくても家族のために耐えたのです。


今、年功序列、終身雇用がなくなりつつあります。それでも、多くのひとは、会社に依存しています。
会社に依存していることが、会社にしがみつくしかない状態を作っているのです。

会社という狭い世界、いわゆる伽藍では、悪い噂は命取りとなります。
日本の企業では、成果主義とはいえ、結局は人が評価を決めるのです。
つまり、上司に気に入られたもの勝ちです。

日本の企業では、自由に好きなことができる人はごくわずかです。
仕事が自分に合わなかったり、職場の人間関係がつらくても我慢してうまくやらないといけないのが日本のサラリーマンです。

でも、自分に合わない仕事をどれだけ頑張っても成果はしれています。
人は自分が好きなこと、興味があることでしか頑張ることもできません。


日本は、中高年層の自殺が比較的多いです。
みんな腐りきった伽藍の中で狂っていく人が多いのでしょう。

これからは伽藍の中で我慢しても報われるわけではありません。

ならば、自由な世界、いわゆる「バザール」の世界に飛び出しましょう。
そこで、自分にあった場所を見つけて、幸せになりましょう。


というのが「伽藍を捨ててバザールへ向かえ」というはなしです。




続いて「恐竜の尻尾の中に頭を探せ」とはどのようなことでしょう。

これについても、自分なりに簡単にまとめてみました。


伽藍を捨ててバザールへ向かうとなれば、自由な世界で他者と勝負することになります。

資本主義社会の中では、大きな市場が儲かる市場であり、そこで成功している人たちが勝ち組と思われるています。
しかし、小さな市場、すなわちニッチな市場でもその中で「勝ち組」「負け組」があり、そこで「勝ち組」になれば、ある程度は収入も見込まれます。
ニッチな市場で「勝ち組」になるにはどうすればよいのかを考えるのも成功を掴む方法となり得るのではないでしょうか。
ニッチな市場にこそ自分のあった場所、好きな仕事があるのです。

伽藍を捨ててバザールへ飛び出せば、そこには自分にあったニッチがあるはずです。

「恐竜の尻尾の中に頭を探せ」とはこんな感じでしょう。




著者は次のようなことも述べています。


【金銭的に成功したからといって幸福になれるとは限らない。ヒトの遺伝子は、金銭の多寡によって幸福感が決まるようにプログラムされているわけではないからだ。ひとが幸福を感じるのは、愛情空間や友情空間でみんなから認知されたときだけです。】


僕はそれでも、金銭的な面の優先順位が一番高いです。


それでは、その2で参考になったことについて紹介させていただきます。

その2に続きます。








おしまい